1 2008年 02月 27日
Musium of Fine Arts, Boston マクロ経済の中間試験が終わったので、mfaへ行ってきた。前回昨年9月中旬に行って以来、実に5ヶ月ぶりとなるmfa。 ![]() アフリカの展示では、主に伝統的、宗教的儀式で用いられる道具(仮面など)を鑑賞する。それぞれの道具が作られたのは早くても19世紀と最近だったが、それでも、それらの道具に用いられた材料や、道具に体化された技能を観るにつけ、当時のアフリカに精細な技術があったことが確認できた。例えば、ある道具は材料に金を使っていた。作られた国と時代は忘れたが、それが何であれ、金を加工して薄く延ばし、望みどおりの形状に曲折するという技能およびその生産技術がかの地に存在していたということは事実である。 世界の一部の楽器を集めて展示した部屋があった。ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカという分類で、各地域(各国)に特色的な楽器が集められていた。弦楽器(いわゆるギター)と管楽器(いわゆる笛)が、細部は異なるにせよ、どの地域でも作られていたということに驚いた。俺は、これらの楽器が各地域でどのようないきさつから作られるようになったのかを知らない。地域の人々が自ら発明したのかもしれないし、その地域に訪れた流浪の旅人から伝来されたのかもしれない。起源がいずれであれ、これらの楽器がそれぞれの地域に定着して、今まで保存され続けていることは驚きだった。なぜなら、ひとつの楽器がいくつもの異なる地域で生き残り続けることは、当然起こりうるべきこととは言えないからだ。さらに俺は、同じような形状をしているそれらの楽器それぞれが、材料という一点において異なっているということを興味深く思った。弦楽器(ギター)は、木による空洞と弦から構成されている。伝統的な弦楽器は、空洞と外界をつなぐ穴を動物の薄皮で覆う。この薄皮をどの動物から調達するかということが、地域ごとに違っていた。これは各地域で、どの動物が人間に近い位置にあったかを暗に示している。同じく、管楽器(笛)も、その形状よりも材料によって地域間に違いがあった。例えば日本に古くから伝わる尺八は、その材料を「竹」としているが、同じように竹を用いて笛を作る地域はどこにもない様だった。おそらく、この簡単な比較は、日本における竹の相対的地位の高さを物語っている。人間の身近にあった動植物が、楽器の潜在的な材料として、文化の一端を担う音楽に制約を課していたと言える。 ベトナム陶器の展示室があった。この展示では、13世紀くらい以降のベトナムの陶器が展示してあった。解説によると、11世紀頃に中国に支配される以前から国内で作られていた陶器の文化は中国支配下でも続けられた。のちに13,4世紀になって、中国の支配から脱した後は、中東や南アジアへ向けて陶器の輸出が行われ、中国産の陶器との競争が繰り広げられた。結果的に、ベトナム産陶器は、中国産陶器の勢いに勝てず、国際市場からの撤退を余儀なくされ、国内だけに市場が収まることになった。ベトナム産陶器は、今日日本で使われる(あるいは見ることができる)陶器と、形状において違いは全くない。当時の国際陶器市場で、中国産陶器の何がベトナム産陶器を駆逐したのかわからないが、後の中国産陶器の発展の様子を見る限り、装飾技術の違いが中国産陶器のブランド性を高めたのかもしれないと思った。 ▲
by yoichikmr
| 2008-02-27 23:07
| 芸術
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