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Do Something II

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2005年 01月 22日

流れ星の季節に

今日は空高く月が出ている。幸い雲ひとつなく,星が綺麗に輝いている。夜空を見上げれば,それは月を中心にして幾多の星々が輝くひとつのキャンバスのように見え,さながら月が星々を率いながら,強い光でもって俺たちに語りかけているようだ。

しかし実際のところ大きさで言ってもエネルギーで言っても,従っている星たちのほうが巨大なのだ。月は地球のまわりを公転するが,星たちは太陽のようにどっしりと構えている。

アメリカの大統領が2期目に入った。ライス国務長官の就任で,アメリカの外交の変化が期待されている。一方でネオコンと呼ばれる新保守主義は根強く,世界中に対して威勢のいい発言が繰り返される。中国脅威論もそのひとつだ。

中国脅威論は,近年の中国経済の躍進に集約される。安全保障問題にしろ経済問題にしろ何にしろ,中国の潜在経済力の向上がその脅威の発端になっている。しかしそれは本当に脅威なのだろうか?

近年のように国と国の間で経済的相互関係が大きい中では,一国の経済政策が他国の経済に大きく影響する。自国の経済政策が,他国の経済を経由して,自国経済に全く効果を持たないか,あるいはマイナスの影響を与えることさえもある。経済学によれば,ある国が裁量的な経済政策を完全に放棄して,他のある国の経済政策に追従したほうが良いという帰結が導かれることがある。その意味は,自国経済に最善の効果を求めるなら主導権は重要ではないということだ。ここでいたずらに裁量を求めれば,自国経済にとってはマイナスにしかならないということだ。主導権争いは愚問だ。裁量を持てるか否かは国際経済の中での相対的な環境に依存している。

国際政治の世界では,国際経済で見られるこうした相互関係があいまいだ。およそ科学に近いと言われる経済の世界でも議論が絶えないのだから当然かもしれない。

中国は脅威か?これは政治の世界で主導権をもつことの是非による。国際社会で政治的主導権を持つことが重要ならば他国の躍進は脅威になるのだろう。逆に,経済の場合のように主導権が重要でないのならば,脅威という観念自体が脅威だ。今現在アメリカは主導権に固執し,ヨーロッパはそれを中立的に見ていると俺は感じる。アメリカはあまりに主導権に固執しすぎるがゆえに,国際社会の中で軋轢と摩擦を生んでいる。一方,ヨーロッパは国連主導と対話を推進するが,その内部での政治と思想は一枚岩ではない。それがまた問題を生んでいるものの,アメリカほどのものではない。それ以外の多くの国は政治的な主導権を求めてはいない。すなわちアメリカは一人相撲をしている。

何かを脅威と見るむきはあまりに感情的であまりに理性的な判断だ。脅威という感覚は無知から来ることが多くないだろうか。20年近く前の日米貿易摩擦は記憶に新しいところだけど,今ではあの摩擦は,アメリカが日本を脅威と捉えたことが完全な誤りであったこととして一般大衆レベルでも知られている。

無知からくる判断で無駄に戦争の火種を世界中にばら撒くことのないようにアメリカには期待したい。

それはそうと,最近流れ星を良く見る。2,3日に一回のペースで見る。空気が澄んでるからなんだろう。

by yoichikmr | 2005-01-22 20:28


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