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2006年 06月 28日

Note: 出生率

おそらく定型化された事実として次の命題は真実に近いだろう。
★経済的に発展するほど出生率が低下する
なぜだ。いったいこれはなぜだろうか。この命題は自明なことではない。

発展途上国を考えるときよく言われることがある。経済発展度が低いときは幼児死亡率もまた高いために高い出生率が必要であるというもの。この論理は一面では正しいだろうけど,多くの反例もありえるので他の説明も欲しいところだ。例えば,戦後の日本だって出生率は今より高かったけど,幼児死亡率が高かったわけではない。
合計特殊出生率

この命題は causality がどっち向きかということも自明ではない。すなわち,「経済的に発展するから出生率が低下する」のか「出生率が低下するから経済的に発展する」のかはわからないということだ。どちらの論理にもそれなりの正当化が可能だと思う。なので,ここには経済学的理論による説明が必要だと思う。
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by yoichikmr | 2006-06-28 09:19 | ECONOMICS_経済学
2006年 06月 03日

5月最後の週

今週はやけに自分の研究が進んだ一週間だった。

なぜ進んだのか考えると,それは先週末にマックスウェーバーの『プロ倫』の解説(!)を読んだからだということに尽きそうだ。具体的な話は,現在進行中の自分の論文がある程度しっかりした形になったら,このブログでも紹介したい。

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ところで,僕は研究というものが何たるかなんてまだまだこれっぽっちもわかっていないんだろうけど,今週費やした時間のおかげで,研究というものが何ではないかということがわかった気がする。驚くなかれ,

研究とは,勉強ではない。...( ̄□ ̄;)!!....

僕はそんなことにも気づいていなかった。正直,今まで勉強の気分だったんだろう。どういうことかと言えば,何か新しい知識を作り出そうという意志が本当に欠けていた。いや,正確に言えば,知識を生み出すということを恐れていた。僕にできるのはここまでだという壁を,自分の中で初めから作っていたのだ。だからこそ,何をすればいいのかわからず戸惑い苦しんだ。

他人の作り出した知識を学ぶことは非常に大事なのだが,それは自分の研究の骨格を作るということをしない。それに気づいた。三ヵ月半かかってようやく気づいたのだ。いやだけど,もしかしたら三ヵ月半という期間を勉強に費やしたからこそ,骨格となるものの発見に繋がったのかもしれない。

ふん,いずれにせよ,まだまだ研究というものはむずかしい。

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ちなみに,このページは凄く参考になったし今後も何度も読み返そうと思っている。
General Advice for Graduate Students at Berkeley
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by yoichikmr | 2006-06-03 01:10 | 日記
2006年 06月 01日

Another Creative Destruction

下の記事について再考したので記す。

様々な国が持つカルチャーについては,宗教よりも国家の歴史的経験の方が考えやすいし,そっちの方が経済現象へのインパクトはでかいかもしれない。簡単に例を挙げてみる。

第2次大戦で敗戦した日本ドイツイタリアは戦後に急成長している。特に日本は,高度経済成長期に7年でGDPを2倍にしている(←今考えればありえないくらいすごい。例えば,2000年3月に俺が高校を卒業してから,来年2007年の3月に俺が大学院修士を卒業する間にオヤジの所得が2倍に,アパートの家賃が2倍に,吉野家の牛丼が2倍になっているということだ。rough skech)。対戦中に日本の脅威にさらされた東アジアの国々は,戦後に日本の脅威から解放され,さらにかつての脅威の日本の高成長を目の当たりにしつつ自分たちも発展した。一方で,戦勝国の植民地だった国々は発展になかなか成功してない(アフリカ)。

これは制度が大戦前後で抜本的に変わったからかもしれない。特に日本については財閥解体・農地開放など生産構造が変化したことは事実。なぜ制度・構造の変化が可能だったのかは大戦中の破壊「Destruction」によるところが大きいのではないか。いろんな意味での破壊を含むけど。

制度や構造の変化が人間のpreferenceを変化させることを通じて経済現象に影響するチャネルもありうる。この点こそがcultureに結びつく。ただし,むずかしい。

そう考えると,こと戦後の世界について見れば,宗教性よりも第2次大戦前後の歴史的経験のほうがインパクトがありそうな気もしなくない。
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by yoichikmr | 2006-06-01 19:44 | ECONOMICS_経済学