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2010年 01月 11日

中国の経済成長と金融市場

中国の貯蓄ブームに見る成長の限界 (Financial Times: Jan 6th 2010)』
Savings boom raises questions about growth and decoupling

【経済成長】
(a) 輸出総額が非常に大きいが輸入総額も大きいため、2008年に純輸出(輸出マイナス輸入)はGDP(総付加価値)の7%。
(b) 純輸出の経済成長への貢献は小さい[1.1%: Prasad (2010?) in Finance and Development]。
(c) 経済成長の原動力は主に投資。
(d) 民間消費が過去10年間に10%ポイント減少(46%->35%)していることから、民間消費の貢献も小さいと示唆される。

【金融市場と企業の投資行動】
(e) 実質金利はマイナス[つまり、銀行に預金すると資産が目減りする。普通は逆。]。
(f) 金融システムが未発達[詳細の記述無し]。
(g) 以上二つの理由から、中国企業は投資の資金を外部調達できず、利潤を保有(貯蓄)することもできない。結果的に、何らかのプロジェクトに投資する[非効率投資の発生を示唆]。

【労働市場】
(h) 経済成長率が年間10%以上にもかかわらず、雇用伸び率は1%。

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【感想】
(1) 投資と純輸出の経済成長への貢献度合いに関しては、注意深い観察と分析が必要。純輸出の貢献が小さく出ているのは、「投資→輸出増→経済成長」という経路が投資の貢献として計上されているからかもしれない。上述のPrasad氏の論文がこの点を考慮しているのかどうかはわからない。

(2) 政府当局が民間投資水準を引き上げるために、金融システムの自生的発展を意図的に制限しているとすると、その影響が中長期にわたって出るのではないか。上記(f)が示唆するように、外部資金の調達が難しいのであれば、新しい企業や新しい産業の勃興が遅れるはず。すると、かつての日本や韓国などのように少数の財閥(あるいはコングロメレット)が生まれやすく、さらに、これらの団体が経済的利益を独占することで、金融システムの自生的発展を阻む経済的・政治的力が働くだろう。要するに、投資誘発のための一時的な中国の政策は中長期的に意図せざる効果を持つ可能性が十分にあって、しかも、最終的には社会的に望ましくない効果のほうが勝ることなるかもしれない。中国経済の場合、そうなる可能性はとても高いと思う。

(3) 労働市場で何が起こっているかを知るには、(h)の情報だけでは全く不十分。「何もわからない」と言っても差し支えない。中国経済の経済成長の主要因は投資にあるから、その投資はおそらく低スキル労働者を機械で置き換えている。同時に、機械の導入は、多くの場合、企業に高スキル労働者を多く需要させるので、結果として、高スキル労働者の雇用拡大と低スキル労働者の雇用縮小が同時に起こっていると予想できる。また、空間的に見れば、投資は地域間で全く異なる水準で進んでいるはずであり、そうであれば、都市部などの投資が盛んな地域と農村部の投資が進まない地域とで、雇用水準とその伸び率に差があっておかしくない。マクロレベルの統計では、労働市場で何が起こっているか判断できない。

中国経済の発展は沿岸部の都市部で進んでいることが知られており、それは同時に投資が活発な地域であり、人口が大きく、人口流入も早いスピードで進んでいる地域である。労働力が経済発展の原動力のひとつとして働いていることは間違いない。投資によって企業内資本が拡大する局面では、同時に、企業内の人的資本(労働力)の組織が変化しているはずである。組織の変化が、単一の労働力の生産への貢献を変化させているはずである。したがって、(1)機械の導入と(2)組織の変化の2点が、企業の労働力への需要の仕方を変えている。転じて、労働力が経済成長にどのように貢献しているかは、これらの変化に拠る。
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by yoichikmr | 2010-01-11 11:20 | Asia
2006年 03月 18日

Rural-Urban Conflict in China

Recent The Economist articles,
Poor Peasants surround Beijing ___ March 16th, 2006
Planning the new socialist countryside ___ March 9th, 2006
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by yoichikmr | 2006-03-18 14:47 | Asia
2005年 07月 09日

PHILLIPINE

2004年の大統領選でアロヨ大統領が汚職(?)をしたことが発覚
大統領resignの機運が高まっている
7/9
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by yoichikmr | 2005-07-09 22:40 | Asia