2006年 06月 01日
下の記事について再考したので記す。 様々な国が持つカルチャーについては,宗教よりも国家の歴史的経験の方が考えやすいし,そっちの方が経済現象へのインパクトはでかいかもしれない。簡単に例を挙げてみる。 第2次大戦で敗戦した日本ドイツイタリアは戦後に急成長している。特に日本は,高度経済成長期に7年でGDPを2倍にしている(←今考えればありえないくらいすごい。例えば,2000年3月に俺が高校を卒業してから,来年2007年の3月に俺が大学院修士を卒業する間にオヤジの所得が2倍に,アパートの家賃が2倍に,吉野家の牛丼が2倍になっているということだ。rough skech)。対戦中に日本の脅威にさらされた東アジアの国々は,戦後に日本の脅威から解放され,さらにかつての脅威の日本の高成長を目の当たりにしつつ自分たちも発展した。一方で,戦勝国の植民地だった国々は発展になかなか成功してない(アフリカ)。 これは制度が大戦前後で抜本的に変わったからかもしれない。特に日本については財閥解体・農地開放など生産構造が変化したことは事実。なぜ制度・構造の変化が可能だったのかは大戦中の破壊「Destruction」によるところが大きいのではないか。いろんな意味での破壊を含むけど。 制度や構造の変化が人間のpreferenceを変化させることを通じて経済現象に影響するチャネルもありうる。この点こそがcultureに結びつく。ただし,むずかしい。 そう考えると,こと戦後の世界について見れば,宗教性よりも第2次大戦前後の歴史的経験のほうがインパクトがありそうな気もしなくない。
by yoichikmr
| 2006-06-01 19:44
| ECONOMICS_経済学
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