Do Something II

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2006年 02月 14日

今日か明日か

試験期間を終えた大学というのは,物寂しいとまでは言わないけど,落ち着いた空気に包まれている。

今日,おれは昼食を食堂で食べながら,大学生たちの若くも落ち着いた雰囲気を眺めていた(注:おれもある意味彼らの一種)。彼らの表情というのは,若いとも表現できるけど幼いとも表現できた。そう感じたとき,似た身分でありながら,俺と彼らとの状況が違うのだということを少し思った(大した違いじゃないけどね…)。

考えてみると,おれが彼らのとき,俺はその時々の気分に任せて,何かを一生懸命になってやっていた気がする。やっていることのすべてが未来に繋がるかどうかということは考えずにただやっていたってことは多いと思う。

人生というのはひとつのヒストリーであって,どのような人生を生きるかということはどのようなヒストリーを辿って生きていくかということだったりする。ヒストリーというのは,「ゆりかごから墓場まで」じゃないけど,ずいぶんと長い期間続くものだ。人は誰しも,人生を豊かにしたいと考える。それは,できるだけ満足できるヒストリーを辿って生きていきたいという思いと同じだ。若かりし頃はこう思う,「あと何年後にはアレをして,何十年後にはコウなっていて…」と。けれどもそれをどう実現すればよいかわからず悩み,惑い,苦しむ。

おれが勉強する経済学は,解釈の仕方によってはなかなかおもしろい見方を提供してくれる。経済学が説得的に教えてくれる処世術は,「今を精一杯生きろ。目の前の夢(目標)に向かって進め。それより将来のことは考えるな。」というものだ。そして,「その結果としてあなたの人生は初めに望んだとおりの人生になるはずだ」と安心させてくれる。より説得的になるように,経済学的な言葉遣いで言い直してみよう。曰く,「あなたが今,今後の人生を最高にするためのあらゆる状況においてとるべき行動を考えついたとしよう。それは時に多大な努力を必要とする行動かもしれないし,場合によっては非常に優雅な行動かもしれない。今後どのような事態が起こっても,あらかじめ決めた行動をとるのであれば,あなたの人生は必ず豊かなものになる。けど,考え方を少し変えてみよう。今後の人生のあらゆる事態を予測することなんて到底無理なんだから,その瞬間瞬間でベストな行動をとることにしてみよう。それが将来どう結実するかはわからないけれど。」このような状況を経済学の言葉でセットアップすると,ひとつの定理を提示することができて,それが,「結局どちらの場合にも同じ行動をすることになる」というおっかなびっくりの結論なわけなんだ。

この結論は,人々の現実的な願望というものと人間の能力には限界があるということを保証すれば必ず成立する。そして,それは普通に考えれば(極端な状況を考えなければ) violate しない。

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僕なんかは,自分の人生(将来)についてすごく不安になることがあります。思い通りの軌跡を描けるだろうかという風に。最近では,過去についても思ったりします。今までの自分の歴史は,自分が本当に望んだものだったのだろうかという風に。

この想像は(ある意味,妄想ですが・・・),結論がでないものでして,結局何も不安から自分を救ってはくれないんですね。ですが,そこでこの経済学の定理を考えてみるわけです。すると,「うん,たしかにそんな気もする」と思わないでもないですよね。

僕は経済学者の卵として(勝手にそう名乗りますが…),上記の考え方を大事にしたいと思います。

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ちなみに,経済学には非常に強力な定理がまた別にありまして,「厚生経済学の基本定理」というんですが,これを現実社会に当てはめるとまたおもしろいヴィジョンが浮かび上がります。次回,これを「法曹三者」の例を使ってお話したいと思います。
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by yoichikmr | 2006-02-14 23:38 | 記事


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